感情設計の技術|論理だけでは人は動かない
2025.11.08
育成・研修営業は「論理的に説明すれば契約が決まる」と思われがちです。
しかし、50万件の営業音声を分析すると、顧客が決断する瞬間には必ず感情の動きが存在していました。
数字・データ・機能だけでは、人は動かない。
「納得」ではなく「共感」こそが、最終的な意思決定を後押しするのです。
1. 論理だけで失敗した具体例
例1|コスト削減の提案
営業マンA:「年間で30%のコスト削減になります」
顧客:「なるほど」──しかし契約には至らず。
→ 顧客の頭では理解できても、心が動いていない。
例2|機能比較の提案
営業マンB:「他社と比べて当社はこの機能が優れています」
顧客:「分かりました」──だが導入せず。
→ 「機能が優れている=自社にとって最適」とはならない。
2. 感情で成功した具体例
例3|未来を描いた提案
営業マンC:「これを導入すれば、御社の現場スタッフが毎日30分早く帰れるようになります」
顧客:「それは助かる!」──即決。
例4|共感から始めた提案
営業マンD:「私も以前、同じことで悩んだ経験があります」
顧客:「分かってくれるんですね」──安心感が信頼につながり、契約へ。
例5|小さな成功体験を見せた提案
営業マンEは試用版を導入してもらい、顧客が「便利だ」と実感。
→ 体感が感情を動かし、本契約に直結。
3. 感情と相性の関係
感情の設計は、顧客との相性にも直結します。
- 慎重型の顧客には、安心感を与える「丁寧さ」が必要。
- 挑戦型の顧客には、ワクワク感を喚起する「未来ストーリー」が有効。
- 共感重視型の顧客には、営業マン自身の経験談や思いが響く。
「顧客がどんな感情を重視しているか」を見極め、その感情を設計できる営業が成果を掴むのです。
4. 実践ポイント
- 1.論理+感情の両輪で話す:「30%削減」+「スタッフが楽になる未来」。
- 2.顧客の感情を言葉にする:「不安ですよね」「ワクワクしますよね」と代弁する。
- 3.小さな体験を与える:試用・デモで感情を先に動かす。
- 4.営業マン自身の感情を見せる:情熱・共感・誠実さは隠さず伝える。
まとめ
営業は「頭を納得させる仕事」ではなく、「心を動かす仕事」です。
50万件の営業音声が示すのは、論理だけでは人は動かず、感情の設計が成果を左右するという真実。
次の商談で、あなたは「数字を語る人」になりますか?
それとも「感情を動かす人」になりますか?