営功社

相性が成果を左右する理由

2025.11.27

育成・研修

営業の現場では「商品の質も提案内容も同じなのに、なぜかこの人の提案だけが通る」ということが起こります。
その背景にあるのが「相性」です。

相性は「目に見えない要因」ですが、成約率・顧客満足度・リピート率を大きく左右します。
では、なぜ相性がここまで成果に影響を及ぼすのでしょうか?

1. 心理的安全性の扉を開く

顧客は本音を語る相手としか深い関係を築けません。
相性が良い営業は、自然に顧客の心理的安全性を高めます。

例1|本音を引き出す会話

営業マンA:「実は社内で反対の声もあるんです」
顧客:「そこまで言ってくれるなら、こちらの事情も正直に話します」

相性が良いと「建前」ではなく「本音」の領域に踏み込めるのです。

2. 情報量が圧倒的に変わる

相性が合うと、顧客は多くの情報を提供してくれます。
その情報こそ、提案の質を左右する最大の材料です。

例2|雑談の中の重要情報

営業マンBは、顧客との会話の中で「実は来期の新規事業で課題があって…」という話を引き出した。
その情報が決定打となり、競合を抑えて受注。

相性が悪いと、同じ雑談でも表面的に終わり、チャンスは得られません。

3. 感情の同調が意思決定を後押しする

人は理屈よりも感情で動く生き物です。
相性が合う営業は、顧客の感情に自然に同調できるため、意思決定を後押しします。

例3|安心感による契約

営業マンCは顧客の不安を「わかりますよ」と受け止めた。
その瞬間、顧客の表情が和らぎ、契約を決断。

「安心感」という感情的要素は、数字以上に強力なのです。

4. 長期的な信頼に直結する

営業の成果は「1回の契約」では終わりません。
紹介・追加発注・長期契約へと繋がるかどうかも、相性が左右します。

例4|相性が生んだ紹介の連鎖

営業マンDは、相性の良い顧客から紹介を次々に受け、短期間で数倍の成果を上げた。

相性は「一件の成果」だけでなく「成果の広がり方」まで変えてしまうのです。

まとめ

相性は偶然の産物ではなく、成果の源泉です。

  • 心理的安全性を高める
  • 情報量を増やす
  • 感情の同調を生む
  • 長期的信頼を築く

だからこそ、営業マンにとって「相性を理解し、調整する力」は必須のスキルとなります。

次回は──
「相性のズレが生まれる瞬間」を具体的に掘り下げます。

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