営功社

営業とは「人間理解」である|哲学から始まる実践

2025.11.01

育成・研修

営業とは「売ること」だと思っていませんか?
世間一般ではそう言われます。
しかし営功社が積み重ねてきた現場と、50万件の営業音声が教えてくれるのは、営業とは人間理解の学問であるという事実です。

商品知識が豊富でも、説明が論理的でも、契約につながらない営業マンは数多くいます。
逆に、専門知識が浅くても、顧客との会話で信頼を築き、契約を勝ち取る営業マンがいます。
この違いはどこにあるのでしょうか。

1. 「人間理解」が成果を分ける瞬間

実際の現場では、こんな具体例があります。

例1|価格だけを気にしているように見える顧客

営業マンAは「値段を下げましょう」と即答。
営業マンBは「なぜ価格にこだわるのか」を質問。
→ 実は「社内で予算承認を通すための説明材料が欲しかった」だけ。
Bは事例資料を提供し、契約成立。Aは失注。

例2|沈黙する顧客

営業マンCは焦って提案を畳み掛ける。
営業マンDは沈黙を尊重し、「考えを整理されるまで待ちます」と一言。
→ 顧客は安心して疑問を口にし、前向きに検討。結果、Dが契約獲得。

例3|感情が揺れている顧客

「上司に反対されそうで不安です」と語る顧客。
営業マンEは「大丈夫です、導入すれば必ず成果が出ます」と強気に説得。
営業マンFは「上司の方は、どんな点を特に気にされると思いますか?」と寄り添う。
→ 顧客は心を開き、Fと一緒に「上司への説明シナリオ」を考え、導入に至る。

これらはすべて、顧客を“理解したかどうか”の違いです。

2. データが裏付ける「人間理解」

50万件の音声を解析すると、顧客の「本音」に触れる質問や共感があった商談ほど、成約率が高いことが明らかになりました。
逆に、スペックや価格を一方的に説明するだけの商談は、成約率が著しく低い。

人は「理解された」と感じたとき、はじめて「あなたから買いたい」と思うのです。

3. 哲学を現場に落とし込む

「営業=人間理解」という哲学は抽象ではありません。現場で即実践できます。

  • 相性の理解:「自分と似たタイプ」か「補完関係のタイプ」かを見極める。
  • タイミングの理解:今は情報収集期か、意思決定期かを見抜く。
  • 感情の理解:不安・期待・抵抗といった感情の波を言語化し、寄り添う。

この3つを見抜ける営業は、商品を「売る」のではなく、顧客に「選ばれる存在」になるのです。

4. 実践ポイント

  1. 1.質問の質を高める:「どんな課題ですか?」ではなく「それが起きる背景は何ですか?」と掘り下げる。
  2. 2.数字の裏にある感情を探る:「コスト削減」と言われたら「なぜ今必要か?」を確認する。
  3. 3.顧客の“人となり”を記憶する:趣味や家族の話から価値観を理解する。
  4. 4.共感を態度で示す:言葉よりも「相槌・間・沈黙」が顧客に安心を与える。

まとめ

営業は「売る人」ではなく、「理解する人」である。
商品を売り込むのではなく、人を理解し、その未来を共に描く。
これこそが営功社の哲学であり、営業が本質的に持つべき姿勢です。

次の商談で、あなたは「契約を迫る人」として見られますか?
それとも「理解してくれる人」として見られますか?

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