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めんどうな営業は業務委託!営業代行の相場や選び方を解説

2025.06.16

自社での営業活動に課題を感じていませんか?人材不足、ノウハウ不足、コスト高など様々な問題から効率的な営業活動が難しいと悩む企業は少なくありません。そんな営業活動の課題から解放される選択肢として注目されているのが「営業の業務委託」です。適切なパートナーを選ぶことで、自社リソースを削減しながら売上拡大を実現できる可能性があります。

本記事では、営業代行サービスの費用相場や選び方のポイント、メリット・デメリットなどを詳しく解説します。自社に最適な営業代行パートナーを見つけるための判断材料としてご活用ください。

営業の業務委託のメリットとデメリット

営業の業務委託とは、自社の営業活動の一部または全部を外部の専門企業に依頼することです。アポイント獲得から商談、契約締結まで、様々な営業プロセスを代行してもらうことができます。まずは営業業務委託の基本的な内容とメリット・デメリットについて確認していきましょう。

営業業務委託の基本

営業の業務委託では、自社製品・サービスの販売活動を外部のプロフェッショナルに任せることができます。具体的には、テレアポ代行やリード獲得だけの部分的な委託から、営業プロセス全体を任せる包括的な委託まで、ニーズに合わせた柔軟な対応が可能です。

特に近年は業界や商材に特化した専門性の高い営業代行サービスも増加しており、自社商材に最適な営業アプローチを提供できるパートナーを見つけやすくなっています。

営業を業務委託するメリット

営業活動を外部に委託することで得られるメリットは複数あります。主なメリットとして以下の点が挙げられます。

  • 固定費削減(採用コスト・人件費・教育コストなど)
  • 営業の専門知識やノウハウの活用
  • 営業リソース不足の解消
  • コア業務への集中
  • 短期間での営業体制構築

特に中小企業や新規事業立ち上げ時においては、自社で営業部門を構築するための時間やコストを大幅に削減できる点が大きなメリットです。また、すでに実績のある営業代行会社のノウハウを活用することで、効率的な営業活動が可能になります。

業務委託のデメリットと注意点

一方で、営業の業務委託にはデメリットや注意すべき点もあります。代表的なものとしては以下の点が挙げられます。

  • 自社商品・サービスへの理解度の問題
  • 間接的な顧客との関係構築
  • 品質管理やブランドイメージの一貫性の維持の難化
  • コミュニケーションコストの発生
  • 契約形態によっては想定以上のコストが発生するリスク

これらのデメリットを最小限に抑えるためには、委託先の選定基準を明確にし、定期的な情報共有や報告体制を整えることが重要です。また、委託内容と目標設定を明確にして契約することで、想定外のコスト発生を防ぐことができます。

営業代行の費用相場と料金体系

営業を業務委託する際に最も気になるのが費用です。営業代行サービスにはいくつかの料金体系があり、それぞれ特徴が異なります。ここでは2025年現在の最新の相場情報と各料金体系の特徴について解説します。

固定報酬型の費用相場

固定報酬型は、月額で一定の金額を支払う契約形態です。営業活動の結果に関わらず、安定した予算計画を立てやすいのが特徴です。一般的な固定報酬型の営業代行サービスの相場は、月額50万円?100万円程度となっており、営業担当者の人数や業務範囲によって変動します。

サービス内容月額費用(税抜)特徴
基本プラン(1名担当)50万円?70万円週3?5日の稼働、基本的な営業活動
専属常駐型(1名担当)70万円?100万円常駐型、専門性の高い営業活動
チーム対応型(複数名)100万円?複数人体制、戦略立案から実行まで対応

固定報酬型は、営業活動の安定性や継続性を重視する企業に適しています。ただし、成果に関わらず一定のコストがかかるため、費用対効果を定期的に検証することが重要です。

成果報酬型の費用相場

成果報酬型は、アポイント獲得や契約成立など、具体的な成果に応じて報酬を支払う形態です。初期費用を抑えたい企業や、成果にこだわりたい企業に適しています。

成果の種類費用相場(税抜)特徴
アポイント獲得15,000円?20,000円/件商談機会の創出に特化
契約成立売上の10%?30%成約までのフルサポート
リード獲得3,000円?10,000円/件見込み顧客情報の収集

成果報酬型のメリットは、成果が出なければコストがかからない点です。ただし、高品質なアポイントや契約につながる可能性が高い案件になるほど、単価が上昇する傾向があります。また、最低保証金が設定されている場合もあるため、契約内容の確認が重要です。

複合型(基本料金+成果報酬)の特徴

複合型は、基本料金と成果報酬を組み合わせた料金体系です。基本料金でベースとなる営業活動を保証し、成果に応じて追加報酬が発生する仕組みになっています。この料金体系は、リスクとリターンのバランスが取れており、委託側と受託側双方にとって公平感のある契約形態として人気が高まっています。

項目費用相場(税抜)特徴
基本料金月額20万円?40万円最低限の営業活動を保証
アポイント成果報酬5,000円?15,000円/件固定報酬型より低単価
契約成立報酬売上の5%?15%成約インセンティブ

複合型は、安定した営業活動の確保と成果へのインセンティブ両方を重視する企業に適しています。基本料金と成果報酬の割合は、商材の特性や営業難易度に応じて調整できることが多いため、自社のニーズに合わせた契約設計が可能です。

営業代行会社の選び方のポイント

適切な営業代行会社を選ぶことが、業務委託の成功の鍵を握っています。ここでは、選定の際に重視すべきポイントと、失敗を防ぐためのチェックリストを紹介します。

業界・商材に対する専門性を確認

営業代行会社の専門性は、成果を左右する重要な要素です。自社の商材や業界に精通した営業代行会社を選ぶことで、商品知識の習得時間を短縮し、効果的な営業トークや提案力を期待できます。

  • その業界での実績や成功事例があるか
  • 類似商材の営業経験があるか
  • 業界特有の商談プロセスを理解しているか
  • 業界の最新トレンドや課題を把握しているか

特に専門性が高い商材(IT、医療、金融など)の場合は、その分野に特化した営業代行会社を選ぶことで、専門用語や業界知識を活かした効果的な営業活動が期待できます。

実績と信頼性の評価方法

営業代行会社の実績と信頼性を確認することは、リスクを最小限に抑えるために不可欠です。以下のポイントを確認しましょう。

  • 会社の設立年数や事業規模
  • 過去の具体的な成果指標(アポイント獲得数、成約率など)
  • 提供可能な営業リソース(人数、スキルレベル)
  • 契約継続率や顧客満足度
  • 第三者評価やレビュー

また、実績を確認する際は数値だけでなく、どのような戦略や手法で成果を上げたかという質的な情報も重要です。可能であれば、実際に担当する営業担当者との面談を通じて、営業スキルやコミュニケーション能力を確認することも有効です。

契約内容の確認ポイント

営業代行サービスを利用する際には、契約内容を詳細に確認することが重要です。以下のポイントに特に注意しましょう。

  • 具体的な業務範囲と役割分担
  • 成果の定義と測定方法
  • 報告体制と頻度
  • 契約期間と解約条件
  • 守秘義務や情報管理体制
  • 追加費用が発生する条件

特に重要なのは「成果の定義」です。例えば、アポイント獲得を成果とする場合、どのような条件を満たすものをアポイントとするのかを明確に定義しておかないと、後々トラブルの原因になる可能性があります。また、最低保証やキャンセル条件なども事前に確認しておくことが重要です。

コミュニケーション体制と対応力

営業代行は外部委託とはいえ、密接なコミュニケーションが成功の鍵を握ります。以下のような効果的な情報共有体制と柔軟な対応力を持つパートナーを選ぶことで、スムーズな業務遂行と高い成果が期待できます。

  • 定例会議や報告の頻度と方法
  • 緊急時の連絡体制
  • 担当者の変更頻度と引継ぎ体制
  • フィードバックへの対応力
  • 提案の柔軟性や改善意欲

特に営業活動においては、市場の反応や顧客からのフィードバックに基づいて戦略を修正していく必要があります。そのため、固定的なサービス提供だけでなく、PDCAサイクルを回しながら改善提案ができるパートナーを選ぶことが重要です。

営業業務委託のプロセス

営業業務委託を成功させるためには、適切なプロセスと準備が必要です。ここでは、業務委託の流れと、成功のために委託側が行うべき準備について解説します。

業務委託の流れと一般的なステップ

営業の業務委託は、一般的に以下のようなステップで進行します。各ステップでの綿密な準備と確認が、成功への近道となります。特に初期段階での情報共有と目標設定が、その後の成果を大きく左右するため、十分な時間をかけることが重要です。

  1. 自社の課題と目的の明確化
  2. 複数の営業代行会社の比較検討
  3. 候補企業との打ち合わせ
  4. 提案内容と見積もりの確認
  5. 契約内容の最終確認と締結
  6. キックオフミーティング(情報共有、目標設定)
  7. 営業活動の開始
  8. 定期的な報告と進捗確認
  9. 成果の評価と改善策の検討
  10. 契約継続または見直しの判断

特に6番目のキックオフミーティングは、営業代行会社と自社の認識を合わせる重要な機会です。商材の特徴、ターゲット顧客、営業トーク、想定される質問と回答例など、具体的な情報を共有しましょう。

効果的な業務引継ぎのためのポイント

営業活動を外部に委託する際、効果的な業務引継ぎが成功の鍵となります。以下のポイントに注意して準備を進めましょう。

  • 商品・サービスの詳細資料(特徴、強み、弱み、競合との違い)
  • ターゲット顧客の詳細プロファイル
  • 過去の成功事例や顧客の声
  • よくある質問と回答例
  • 営業トークや提案書のテンプレート
  • 社内用語や専門用語の解説

また、可能であれば実際の商談に同席してもらったり、製品デモを体験してもらったりすることで、より深い理解を促すことができます。営業代行会社が自社商材に対する理解を深めれば深めるほど、効果的な営業活動が期待できます。

成果測定と評価の方法

営業代行サービスの効果を最大化するためには、適切な成果測定と定期的な評価が不可欠です。明確なKPIを設定し、定量的・定性的両面から評価しましょう。

評価項目測定指標例評価頻度
量的成果アポイント数、商談数、成約数、売上金額週次/月次
質的成果アポイント質、商談内容、顧客フィードバック月次
プロセス評価リスト作成数、アプローチ数、反応率週次
ROI投資対効果(費用対売上)四半期

成果測定においては、単純な数値だけでなく、営業プロセス全体を評価することが重要です。例えば、アポイント数だけでなく、そのアポイントが適切なターゲットとのものかどうか、商談の質はどうかなど、多角的な視点で評価することで、より効果的な改善につなげることができます。

長期的な関係構築のためのポイント

営業代行サービスを最大限に活用するためには、一時的な関係ではなく、長期的なパートナーシップを構築することが重要です。双方向のコミュニケーションと継続的な改善サイクルを確立することで、時間の経過とともに成果が向上していく関係性を築くことが可能です。

  • 定期的なフィードバックと改善提案
  • 市場環境や商品変更に関する情報共有
  • 成功事例の共有とナレッジの蓄積
  • 中長期的な目標設定と戦略の共同策定
  • 担当者間の信頼関係構築

また、営業代行会社からのフィードバックは、自社の商品開発や営業戦略の改善にも活かせる貴重な情報源です。顧客からの生の声や市場の反応を積極的に収集し、自社の事業改善に活用することで、より高い効果が期待できます。

営業業務委託の活用シーン

営業代行サービスは、様々な業種や目的に応じて最適な活用方法があります。ここでは、代表的な活用シーンと、それぞれに適した営業代行の選び方について解説します。

BtoB向け製品・サービスの営業代行

BtoB向け製品・サービスの営業は、専門知識や商談スキルが求められるため、業務委託に適したケースが多くあります。特にIT製品やビジネスソリューションなど、専門性の高い商材では、業界知識を持った営業代行会社を選ぶことが成功の鍵となります。

  • 営業代行に適した商材:SaaS、業務システム、コンサルティングサービス、法人向け各種サービス
  • 重視すべき選定ポイント:業界知識、技術理解度、提案力、既存ネットワーク
  • 推奨される契約形態:固定報酬型または複合型(基本料金+成果報酬)

BtoB営業では、単純なアポイント獲得だけでなく、提案力や課題解決力が重要になるため、単純な成果報酬型よりも、しっかりとした営業活動をサポートできる固定報酬型や複合型が適していることが多いです。

新規開拓に特化した営業代行

新規顧客の開拓は、多くの企業にとって重要かつ負担の大きい業務です。アプローチ先の選定からアポイント獲得、初回商談までを営業代行に委託することで、効率的な新規開拓が可能になります。

  • 代行に適した業務範囲:見込み顧客リスト作成、初回アプローチ、アポイント獲得
  • 重視すべき選定ポイント:テレアポスキル、リサーチ力、粘り強さ
  • 推奨される契約形態:アポイント獲得型成果報酬または複合型

新規開拓に特化した営業代行では、効率的なアポイント獲得が主な目的となるため、アポイント単価で成果を測定できる契約形態が適しています。ただし、アポイントの質が担保されるよう、ターゲット条件や商談の定義を明確にしておくことが重要です。

インサイドセールスとの連携

インサイドセールス(内勤型営業)と営業代行の連携は、効率的な営業体制を構築する上で効果的なモデルです。それぞれの強みを活かした役割分担により、成約率の向上とコスト効率の最適化が期待できます。

  • 連携モデル例:営業代行がリード獲得・初期対応を担当し、インサイドセールスが商談・クロージングを担当
  • 重視すべき選定ポイント:情報連携の仕組み、CRM活用スキル、スムーズな引継ぎ体制
  • 推奨される契約形態:リード獲得型成果報酬

このモデルを成功させるためには、営業代行会社とインサイドセールスチーム間の情報共有が極めて重要です。共通のCRMを活用するなど、シームレスな連携体制を構築することで、顧客体験の向上と成約率の向上につながります。

地方・海外進出時の営業代行活用

新たな地域や海外への進出時には、現地の商習慣や市場特性に精通した営業代行の活用が効果的です。特に初期段階では、自社で営業部門を構築するリスクを抑えながら市場検証ができる点が大きなメリットとなります。

  • 活用メリット:現地ネットワークの活用、言語・文化障壁の克服、初期投資リスクの低減
  • 重視すべき選定ポイント:現地市場の知見、言語対応力、現地顧客との関係構築力
  • 推奨される契約形態:段階的な契約(短期テスト→中長期契約)

地方や海外進出時の営業代行活用では、まず小規模なテストから始め、市場反応を確認した上で本格的な展開を検討するアプローチが有効です。また、現地の商習慣や規制に精通しているかどうかも、重要な選定基準となります。

まとめ

営業の業務委託は、自社リソースの最適化と営業効率の向上を実現する有効な選択肢です。適切なパートナー選びと明確な目標設定により、めんどうな営業業務から解放されながら売上拡大を目指すことが可能です。

費用相場は、固定報酬型で月額50万円?100万円程度、アポイント獲得型成果報酬で1件あたり15,000円?20,000円程度が一般的です。自社のニーズや予算に合わせて、最適な料金体系を選択することが重要です。

営業代行会社の選定では、業界専門性、実績、コミュニケーション体制などを総合的に評価し、長期的なパートナーシップを構築できる企業を選ぶことがポイントです。また、効果的な業務引継ぎと定期的な成果評価により、継続的な改善サイクルを確立することが成功への近道となります。

営業の業務委託を検討する際は、本記事で紹介した選定ポイントや契約時の注意点を参考に、自社に最適なパートナーを見つけ、効果的な営業体制の構築にお役立てください。

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