営功社

ニーズ深掘りの失敗|質問しているのに分かってもらえない理由

2025.10.04

育成・研修

営業の現場では「質問力が大事」とよく言われます。
ところが、営功社の50万件の営業音声を分析してみると、質問しているのに顧客に“分かってもらえない“ケースが数多く存在していました。

営業マンは一生懸命に問いを投げかけている。

「御社の課題はどのあたりですか?」
「どの部分にお困りでしょうか?」

しかし返ってくる顧客の答えは短く、そっけない。

「特にないですね」
「今のところは大丈夫です」

質問しているはずなのに、顧客からは壁を作られ、距離が広がっていく。
この「ニーズ深掘りの失敗」は、なぜ起きるのでしょうか。

1.尋問になってしまう質問

失敗パターンのひとつは、質問が“尋問“化してしまうことです。

「今の仕組みに不満はありますか?」
「どの部分でコストがかかっていますか?」

これらは表面的には課題を掘り下げようとしています。

しかし顧客にとっては「答えさせられている」感覚になり、防御反応を招きます。
実際の音声でも、営業マンが矢継ぎ早に質問し、顧客の声がどんどん小さくなる場面が多くありました。
つまり、“理解したい“のではなく“答えを引き出したい“姿勢が透けて見えるのです。

営業の現場では「質問力が大事」とよく言われます。
ところが、営功社の50万件の営業音声を分析してみると、質問しているのに顧客に“分かってもらえない“ケースが数多く存在していました。
営業マンは一生懸命に問いを投げかけている。

「御社の課題はどのあたりですか?」
「どの部分にお困りでしょうか?」

しかし返ってくる顧客の答えは短く、そっけない。

「特にないですね」
「今のところは大丈夫です」

質問しているはずなのに、顧客からは壁を作られ、距離が広がっていく。
この「ニーズ深掘りの失敗」は、なぜ起きるのでしょうか。

1.尋問になってしまう質問

失敗パターンのひとつは、質問が“尋問“化してしまうことです。

「今の仕組みに不満はありますか?」
「どの部分でコストがかかっていますか?」

これらは表面的には課題を掘り下げようとしています。
しかし顧客にとっては「答えさせられている」感覚になり、防御反応を招きます。
実際の音声でも、営業マンが矢継ぎ早に質問し、顧客の声がどんどん小さくなる場面が多くありました。

つまり、“理解したい“のではなく“答えを引き出したい“姿勢が透けて見えるのです。

2.顧客は「自分の文脈」で話したい

人は、自分のことを自分の言葉で語りたい存在です。
質問が一方的だと、その“語りの自由“が奪われてしまう。

たとえば、成功例の音声ではこうでした。

営業:「最近の△△について、どのように感じられていますか?」
顧客:「実は、今ちょっと困っていて…」

この質問はYes/Noで答えられないため、顧客は自分の体験や感情を語り出します。

逆に失敗例ではこうでした。

営業:「御社の課題はどこですか?」
顧客:「特にないです」

顧客が“当事者として語れる入口“がなければ、ニーズは深掘りできません。

3.相性とズレの視点

ニーズ深掘りの失敗には、相性のズレが大きく関わっています。

分析型の顧客に「ざっくりどうですか?」と聞く → 具体性がなく、答えづらい。
感覚型の顧客に「コスト構造を数字で教えてください」と聞く → 負担が大きく、会話が止まる。

質問の仕方が顧客のタイプと合っていないと、「分かってもらえない」という感覚を生みます。
逆に相性を捉えて質問を調整できれば、「この人は話しやすい」と思ってもらえ、顧客の本音が自然に出てきます。

4.実践ポイント

ニーズ深掘りを成功させるためには、次の工夫が効果的です。

オープンクエスチョンを中心にする

「どのように感じていますか?」で、顧客の自由な語りを引き出す。

相手の言葉を引用して返す

「先ほど△△とおっしゃいましたが、そこをもう少し聞かせていただけますか?」
→ 顧客は「自分の話を聴いてもらえている」と感じ、さらに深く語る。

相性に合わせて質問を調整する

数字を好む顧客には「直近の実績ベースで言うと…?」
感覚を重視する顧客には「体感としてはどんな印象ですか?」

質問の意図を添える

「誤解なくご状況を理解したいので伺いますが…」と前置きすることで、尋問感が和らぐ。

まとめ

ニーズ深掘りの失敗は、「質問が悪い」のではなく、質問の仕方と姿勢がズレていることから生まれます。
顧客は「理解してほしい」という欲求を持っています。
その欲求に寄り添わず、一方的に答えを引き出そうとするから、壁ができてしまうのです。
営功社の50万件の中の失敗音声が教えてくれるのは、質問力とは“相手の文脈で語らせる力“であるということ。
あなたの次の商談では、質問を“投げる“のではなく、“相手の言葉を引き出す入口“にしてみてください。

ツールバーへスキップ